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遺産分割協議とはどの様なものなの?

 過去のブログ「相続放棄はどの様にするの?」の中で、私が相続手続きのお手伝いをしていると「相続放棄をすることを他の相続人に伝えたから、私は相続の手続きをする必要ない!!」と言われることがあるとお伝えしました。しかし、相続放棄は家庭裁判所での申述が認められる必要があり「相続放棄をすることを他の相続人に伝えた」だけでは、他の相続人に「私は相続財産を受け取らない」という遺産分割協議の提案を行っただけという事になります。この様に民法で定められた法定相続分より多く、又は少なく、法定相続分と異なる形で財産を相続する場合は、相続人全員で「遺産分割協議」を行い、各相続人が相続する財産の内容や割合を決定することになります。

【遺産分割はどの様に行うの?】
 この「遺産分割協議」については、民法第906条「遺産の分割は、遺産に属する物または権利の種類および性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態および生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」と定めています。従って、相続人全員が納得していれば、どの様な定め方をしても良いということになります。

【書面として作成する必要があるの?】
 遺産分割協議の方法について、民法で具体的に定めているわけではありませんので、書面による遺産分割協議書の作成が必要かといいますと、絶対に必要という訳ではありません。しかし、遺産分割の内容について重要な事柄を決めているので、思い違いや後日の紛争を避けるため、又は税務署や法務局、金融機関、その他関係各所等に提出できる様にするためにも、書面による遺産分割協議書を作成することをお勧めします。

【全員が集まらないと遺産分割協議はできないの?】
 遺産分割協議というと、全員が集まって話し合いをしなければならないというイメージがあるかもしれませんが、そういう訳でもありません。同じ内容を書いた遺産分割協議書を各相続人に郵送し署名捺印する方法でも構いません。

【署名や実印の押印が必要なの?】
 遺産分割協議書への署名や押印についても、民法に何ら規定はありませんが、署名や押印を行う事によって、各相続人の協議内容への承認や意思が明確になります。また、法務局や金融機関においては印鑑証明書の提出を要請されますので、相続人の署名と実印の押印、印鑑証明書の添付が好ましいと言えます。

【割印(契印)は必要なの?】
 遺産分割協議書が2枚以上になる場合の、割印(契印)にも何ら規定が存在する訳ではありません。しかし、偽造変造を防止する観点から遺産分割協議書に押印した実印による割印(契印)が好ましいと言えます。

【協議が整わない場合】
 協議による遺産分割協議が整わないときは、家庭裁判所へ遺産分割調停または審判の申し立てをすることになります。

 いつも「相続手続きは、亡くなる前からのお話しです。」と書いていますが、今回に関しては、大切な方が亡くなり、残された相続人が行う手続き(亡くなってからの手続き)について書かせて頂きました。この遺産分割の方法には、現物分割・代償分割・換価分割、というものがあり、様々な形での協議ができます。この分割方法については、改めてブログで書かせて頂きます。
 しかし、ここで考えて欲しいことは、遺産分割協議で相続した財産は、ご自身が亡くなったときにご自身の相続財産となるということです。財産の残し方など、ちょっとしたことを考えるだけで、ご自身の死亡後にご自身の大切な方々に紛争が生じないようにすることができます。ご自身と、ご自身の大切な人のために、どの様な相続財産があり、どの様な手続きが出来て、どの様な財産を残し、誰に何をどう相続させたいのかを、生きている間に検討してみてはいかがでしょうか。

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